2015年8月21日金曜日

村上ファンド、黒田電気臨時株主総会で敗北

っていうか、旧村上ファンド時代から何かアクションを起こして、勝利したことがないんじゃないか?
もっとも、「勝利」の定義が微妙なんですけど。

株価が上がって、利益が出れば「勝利」とするならば、かなりの勝率でしょうね。
しかし、重要提案行為を行って、その通り会社や他の株主を説得できなかったとなれば果たして本当の勝利なのかって疑問が残ります。
しかし、彼らが株を処分した後で、「勝利」した案件もありますね。




振り返ってみれば、10年前の「会社はだれのものか?」という議論の火付け役となったのが旧村上ファンドでした。

アメリカのアクティビスト(というより「乗っ取り屋」)のボスともいえるカール・アイカーンに、アクティビズムを教えてもらったというスティール・パートナーズのなんとかリヒテンシュタインと共に日本のコーポレートガバナンスに火をつけた存在でした。

それとホリエモンなどが躍動して、旧世代から感情的に嫌われて、マスコミも敵に回して、何となく自滅したような格好で終わってしまいました。

当時は、感情論をいかに論理的に持っていくか(会社は広くあまねくステークホルダーの物だ、なんてこじつけのような議論はその典型だと思う)に苦心していました。

その後、リーマンショックや大震災などを経て、「伊藤レポート」(内容:ROE8%ぐらい出せない経営者はダメよ)「コーポレートガバナンス・コード」(ちゃんと株主を大事にした経営をしなさいよ)そして「スチュワートシップ・コード」(中長期投資家ならしっかり経営者を応援してあげなさいね)などが政府から降りてきました。

今、各社は必死になってROE8%以上にします、とか、株主還元に頑張ります、とか言っていますね。

内容の極端さはあれど、ある程度旧村上ファンドやスティールの言い分が通っていると思います。
また、旧村上ファンドが株主権を振りかざした先は、結局現在、M&Aで再編されていたりします。

阪神電鉄(阪神タイガースの上場なんて提案して、当時の星野監督からボロカスに言われましたね。村上さんは確か灘高出身なので阪神ファンというのはうなずけたのですが)は阪急電鉄と経営統合。

松坂屋(銀座の店舗の容積率を上げろと言ってましたね)も大丸と経営統合。銀座店は結局再開発されますね。要求が実現していますね。

タカラ トミーと経営統合していますね。

ダイドーリミテッド  オンワード樫山が村上側の株を買い取って、持ち分法適用会社にしました。

昭栄も最終的にはヒューリックと合併しています。

ちょっと記憶に残っているだけでもこんな感じです。
したがって、村上ファンドは日本の株式市場には存在意義があったと思っています。

今回は4割の株主が賛成に回ったというのはちょっと驚きました。前回の逮捕劇が国策捜査だ、ってのがばれたのが効いているのかもしれません。

ただ、株主になった会社側でも、村上ファンドへの「傾向と対策」は益々バッチリになってくると思いますので(バックについている証券会社や弁護士にノウハウが溜まってきていると思う)。

対決型より協調型の方が今の時代のアクティビズムだとは思いますけど。

今更協調型には戻れないのかもしれませんが、株主たる者、結局経営は経緯者に委ねなければいけないので(オレ社長を辞めた、と言われると、それはそれで損害です。村上さんの狙う会社は業績はいいけど、株主配慮が足らん、というのがメインでしょ?)、世間を敵に回さないような感じがいいですね。
娘さんをフロントに持っていくことで、ソフトなイメージを出したのかもしれませんが。

黒田電気も5年後にどのような姿になっているか、楽しみかもしれませんね。
村上さん、結局黒田株を売るのでしょうかね? 長期と言いつつ自分の意見が通らなかったんだから。

今日は8%も暴落したのがその証拠ですね。

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