2018年1月28日日曜日

日米の法人税率引き下げに対する雑感 変わらない国民気質 アメリカ人はPR上手



年度と暦年が混じってますが、ご愛敬
トランプさんの最大の選挙公約であった、減税。

個人的にはあのドタバタぶりでは、無理なんじゃないか、と思っていましたが、結構サクッと可決した感があります。

マーケットはもちろん歓迎して株式相場でもラリーが起こっています。

(2017年にアナリストが立てた業績予想や株価予想には2018年の法人税率引き下げをある程度織り込んでいたはずなんだけどなあ。Morningstarは25%ぐらいの法人税率を前提に目標株価を弾いていた)


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よく考えると、日本でも法人税率は下がっています。しかし、株式相場や実体経済にそれほどインパクトがあったのかというとちょっと疑問です。

(もちろん、企業のEPSは減税分、じわじわ上がっていて、株価に反映されているはずなので、ボディーブロー的な効きはあると思います)。

日本では、安倍政権が頑張って(自民党内の財務省OB関連議員を説得)法人税率を段階的に引き下げました。

その見返り?として、民間企業に賃上げを安倍ソーリ自らが、経団連にお願いするという異常な光景が見られました。
(本来なら労働組合の出番ですよ)

しかも、その経団連もソーリ直々のお願いなので、「仕方なく」賃上げしようか、という感じ。

アングル:日本企業は今年の賃上げに前向きか、各社首脳に聞く (ロイター)

ざっくり言えば、「わかっているけど、賃上げ以外にもいろいろやることあるんだからさ! バランスとってやっていくんだよ、それが企業経営だよ。うるせえ!」(最後のうるせえ!は個人的に行間を読んだまでです)


一方、アメリカでは、減税法案が可決すると、アメリカを代表する企業が軒並み、投資の拡大や賃上げなどを発表するなど景気のいい話が続出しています。

アングル:米ウォルマートが賃上げ、賃金上昇は広がるか (ロイター)

JPモルガンが200億ドル支出へ-減税の恩恵、賃上げや支店開設に活用 (ブルームバーグ)

AT&T米減税法成立でボーナス (共同通信)

アップル、米で2万人新規雇用・3兆円投資 減税受け (日経新聞電子版)

JPモルガンのコメント
力強く持続的な業績と最近の米法人税制改革、より建設的な規制と事業環境

AT&Tのコメント
税制改革によって、経済成長は後押しされ、高賃金の仕事が創出される

とまあ、ちょっと調べただけで、米大企業の様々な業種から、ポンポン威勢のいい話が出てきます。

なんですかね、この差は? アメリカ人はPR上手、プレゼン上手という「日頃の成果」が出ているんでしょうかね。

減税法案が可決したのは昨年末。そこから1か月もたたないうちに、3兆円投資します、とか、最低賃金引き上げます、とか言えませんよね。

あらかじめ準備していたとしか思えません。PR上手ですね。さすがアメリカ。

翻って、日本では、対応が後手後手なんですよ。パッシブ!

(アメリカは景気が悪くなると、簡単に人員削減するという裏技もありますけどね)

思い出しましたよ。太平洋戦争。アメリカはガダルカナル派兵や空母機動部隊を一気に増強して日本軍を圧倒しようとしましたが、日本は戦力の逐次投入で負けてしまいました。

今回の法人税減税も、「段階的引き下げ」で、減税のありがたみがわかりづらく、インパクトに乏しいものになっている可能性もあります(注:社会保障費の増加がある程度ある)。

日本だって、なんだかんだで10%引き下げたんですよね。

やるんだったら、一気にドカン、と内外にその意思をPRしてそこからくる果実をしっかりとる、という方法を日銀黒田バズーカ―砲を思い出して、やってほしいなあ。

さて、この国際比較表を見て(注2017年1月現在)、日本の法人税率の再引き下げ議論が起こりそうな気がします。いいことだとは思うけど。
経済産業省の資料より

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