2017年11月21日火曜日

東芝の第三者割当増資に関して雑感 GEと東芝あなたならどっちに投資しますか?



日曜日に発表された東芝の6000億円増資。
実に54%の希薄化になるそうだ。このような希薄があっても、強行するそうです。
一見、株主の価値を踏みにじった、(今年の流行語で言えば)クソダサい経営陣じゃないか、と言えます。

しかし、日経新聞等で割当増資に応じる上位株主の顔ぶれを見てみると、東芝も「背に腹」変えられない、という状況が見て取れるのではないか、とも思いました。


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現在の東芝の外国人株主割合は四季報によると38%です。

今回の増資のすべてが外国人投資家(少なくとも投資行動は同じだと思う)とすれば、増資後も既存外国人投資家がホールドする前提に立つと、約60%の外国人保有割合となります。「外資系」企業ですね。
(日経新聞電子版より)

上記図は、6000億円の増資引き受け手の上位投資家です。この8社で50.6%、約3000億円の出資となるそうです。

ハーバード」って、あのハーバード大学の投資運用会社のようです。ええーって感じです。

エフィッシモはご存じ、旧村上ファンドで活躍していた人が村上氏逮捕の後に独立運営し、日産車体とかヤマダ電機などでモノを言っています。

エリオットはアメリカで有名なヘッジファンドのようです。

セガンディは香港のヘッジファンド。

サーベラスはご存じでしょう。日本だと西武ホールディングスで経営陣と対立していました。クライスラーにも出資していました(失敗案件だけど)。

キングストリートもサーベラスも業績不振企業にあえて投資するターンアラウンド・再生ファンド、悪く言えば禿鷹ファンド。

サードポイントは、ソニーですっかり日本でも有名。

オアシスは京セラにKDDI株を売却しろ、とか、パナソニックによるパナホームのTOB価格に反対したとかが有名だそうです。

こういったメンツに頼らざるを得なかった、ということでしょう。

したがって、増資が完了し、半導体子会社売却後の東芝は、厳しい外人投資家の目に晒されます。

これで会社がいい方向に向かえば、他の日本企業にも波及して、長い目で見れば、コーポレートガバナンスの改善につながるのか、単にアメリカ人投資家においしいところを持っていかれるだけなのか、という感じです。

それでも上場維持が必須、という判断だったということでしょう。上場廃止となれば社債とか銀行格付け、グループ会社内への士気低下とか様々な定量化不可能なマイナス要因が想定されます

したがって、大幅希薄化してでも、増資した方が既存株主にとっても最終的には吉と出る、という判断ではなかったのでしょうか?

経済産業省や国が「国策」と考えていた東芝関連は、結局、「投資判断能力の高い」外国人投資家に持っていかれた、ということでしょう。

投資マネーは国境を超えますので、「日本は日本の考え方がある」なんてノスタルジックな考え方は通用しません。

偶発債務なし(今回の増資で一連の原発債務はクリアできると読んでいるらしい。LNGの買い取りリスクはどうなったのかわかりませんけど)、安定CFの東芝は「買い」だと判断したんでしょうね。

私なら、東芝ではなく、General Electricの株を買いますが、隣の芝が青いのか、外国人投資家が慧眼なのか、3年ほど経つと答えが出そうです。


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