2017年11月23日木曜日

メガバンクのリストラに関する雑感



最近、メガバンクを中心に業務量削減などを打ち出す方針を掲げるニュースをよく目にする。

かつての古巣なので、多少は土地勘があるのと興味もある。


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まず、貸出金業務。ご存知ゼロ金利であるにもかかわらず預金量は増えるため、貸出先あるいは運用先を増やさざるを得ないという事情がある。

にもかかわらず、世の中カネ余り若しくは低インフレ低成長でそもそも資金ニーズがない、という現象はご存知の通り。

勢い、利ザヤが減少する。

また、従来窓口やATMで行っていた預金為替業務がコンビニなどの店頭決済やクレジットカード決済あるいはデビットカード決済などフィンテックに置き換わっていくので、銀行店舗の必要性が低下している。

一般の人がイメージする銀行の店舗、それが不要って、丸の内/大手町を歩くと明確にわかります。

従来型の三菱UFJ銀行の本店(三菱電機の隣)はいかにも銀行の本店、という感じで1階に預金窓口があるし、なんか近づきがたい印象を与える。
どうだ、銀行様だぞって感じ
一方、新しいみずほ銀行の本店(大手町タワー)は1階や地下1階はレストラン街になっていて、「これ銀行なの?」って思ってしまいます。しっかりファミリーマート(伊藤忠系)が出店していますよ。銀行の本店で賃貸収益が上がっていますね。そのほうが窓口業務より経済性がイイのでしょうか?
みずほ銀行の本店は地下1階と1階はオーテモリという名のショッピングセンター街になっています。
地下鉄大手町駅直結です
三井住友銀行の本店は三菱より新しいけどみずほより古いのでこの中間のような感じ。基本は銀行の本店ですが、大きな窓口は見当たらないし、多少のショップがある。
三井住友銀行は日比谷通りを挟んでビルが2つあり、東館の地下にカフェがある

これが銀行の直面している現状だと思います。

何のことはない、売れないから、価格を下げてうる小売りやサービス業となんら変わらない。
こういった一般業種はコスト改善や規模拡大で利益率を維持または改善する。

銀行も基本的にはこれと同じことをやろうというだけのことだ。7&Iホールディングスがコスト構造の高いイトーヨーカ堂を閉めて、セブンイレブンを拡大するのに似ている。

儲からない規模の小さい店舗を閉めて、まとまったお金を海外などで運用するか、グループの他の業種(グループでフィンテック関連業務を抱えようとしているし、証券会社または海外業務への投資も拡大している)に経営資源を振り向けよう、ということだろう。

7&Iは大きいヨーカ堂より小さいセブンイレブンのほうが儲かるらしいが、銀行は基本的に規模の経済がものをいうので、小さい店舗は利益がよくないのだと思う(基本的に融資先がない割に上述の通り預金為替業務という赤字部門を構えなければいけないので、損益は良くない)。

総合職職員というより、窓口業務を担っていた一般行員やパートの方の職場への影響のほうが大きいと思いますが、これも環境変化というべきでしょう。

我々一般利用者は、めんどくさい手続きがフィンテックなどで簡単にできるようになるので、利便性は確実に良くなっているのではないでしょうか?

例えば、海外送金。外国の証券会社に口座をお持ちの方ならわかると思いますが、リーマンショック直後は銀行の窓口でごちゃごちゃ書類に記載した挙句、ゲッとするような高い手数料を支払わされて、送金していたと思いますが、今やPCで登録しておけば(それでもまあまあ高い手数料だと思うが)、即日に近い感覚で簡単に送金できるようになっています。

銀行員が自分で自分の首を絞める複雑な事務手続きがフィンテックで解放されようとしています。

マスコミは大げさに書きますが

一方、銀行経営の観点から言えば、長くレガシーのような業務を削減する、と言っているので、少し前進したかもしれません。

3年から5年もかけると、定年を含めた自然退職とパート社員への契約期限更新をしないとかだけで銀行が公表している人員数(4000人から6000人とか)なんて減るのではないでしょうかね。

また人手不足なんでしょうから、中小企業なんかが銀行員を迎えたいニーズも多いと思いますよ(銀行員本人が行きたいか否かは別にして)。

したがって、そんなに悲観すべきことかなあ、と外野からは思いました。

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