2017年10月12日木曜日

プロクター&ギャンブル (P&G)のアクティビストによる株主総会 結果にかかわりなく、立ち直ってほしいのが株主の本音



10月10日の株主総会で、アクティビストで、確か1%のP&G株を保有するネルソン・ペルツ氏は、「俺を取締役に選任しろ」と議案を提出。

これに対し、ISS、グラスルイスの議決権行使助言機関(機関投資家に対し、迷うような総会議案の場合、「中立的」な立場で、YesかNoかを代弁アドバイスする会社。機関投資家にとって、例えば『「ISS」が反対とアドバイスしたので議案に反対した』と主張すれば、機関投資家の背後にいる年金基金などの資金提供者に何かあった場合、「言い訳」が立ちやすい。保身のための保険のようなもの)はペルツ氏の案を支持していたので、注目されていた。



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結果は、僅差で否決された、と発表されたようだ(しかし、第三者の監査手続きが必要とのこと)。
P&Gが勝利宣言、ペルツ氏の取締役就任を否決-トライアンは異論(ブルームバーグ)

ペルツ氏は取締役となって、P&Gをよりスリムな組織にする、会社を3つに分割して、それぞれ成長させるなどを訴えた。

一方、P&Gの経営陣側は、過去5年以上にわたって組織のスリム化を実施(その間株主還元は、特に自社株買いを中心に、抜かりなく手厚く実施)。やっと終了してこれから再成長路線に戻るところであり、再生プランは順調に進んでいると主張。

また、ペルツ氏には実業の経験もなく、ボードメンバーとしてふさわしくない。

と真っ向対立。前日、GE、ゼネラルエレクトリックでは、ペルツ氏が勝利し、腹心のエド・ガーデン氏を取締役に送り込むことに成功していたので、注目度はさらにアップしていた。

コラム:米GEが「物言う投資家」を受け入れた理由(ロイターより)

まあ、カール・アイカーン気取り(彼は10%ぐらいは買い進めるけど)で、大株主→取締役会メンバー→リストラ&会社分割を主張→株価上昇→売却 というのは変わらない。

こういったアクティビストの功罪として、まず罪として、机上の空論(最近はより「綿密な計画」を立案するケースが多い。かなり金や人を使っている)で現経営陣の業務の遂行を妨げ頭痛のタネになるということか。

彼らは株価が上がれば実質的に勝利なので、割安で下手な経営をしている会社に投資して、世間に騒いでもらい、その結果株価が上がればそれでいい
(一方、我々は彼らが株価や企業価値を引き上げてくれれば、フリーランチ(ただ飯)にありつけるので、嫌う必要性は本質的にはない)

しかし、功もある。経営陣も「空論」ではなく「正論」なら耳を傾けざるを得ない。また、数値的にも正しければ、それを検討・採用しなかった場合、訴訟に耐えられなくなる。したがって、本当に提案が正しい場合は実行に移すこともあるようだ。

株主としては、P&Gはここ数年業績が伸び悩んでいるため(ダラーシェーブクラブのような新手なサービス、ナショナルブランドよりPB商品、住宅伸び悩み、新興国経済のスローダウンやアジアでの競争激化(花王やユニ・チャームを指す))、頑張ってほしいところだ。

ただし、会社分割とまでは思っていない。今の経営戦略を着実に進めてもらい、DPS成長率を5%~7%ぐらいに回復してくれればいい、というマイルドな期待です。

ネルソンのようなアクティビストは数年前から「寄生」していたが、構造改革も結果が求められる正念場になってきた。これでコケたら、ネルソン案の受け入れも考えるべし。

したがって、再度現経営戦略の遂行を望むが、1年2年で結果が出ない場合、ネルソン案を受け入れるべし、という感じか。私は日本人なので、やさしいのかな?

日本でもアクティビスト

ソニーへの投資で名前を売ったサードポイント。

経営者は否定したけれど、IR活動がおざなりだった、ファナックも少し株主フレンドリーになったといわれている。

実は何を隠そう、私の保有するJT・日本たばこ産業も、かつて英チルドレンインベストメントに配当を増やすよう盛んに攻め立てられていた。

日本では、アクティビスト→村上→うざい やつ という図式も少しずつ変化があり、ボードメンバーに送り込まれるケースも増えるかもしれない。

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