2017年7月12日水曜日

為替や米長期金利の動向と日本株に対する影響など雑感



まず、私の基本スタンスは、現在のドル円レートは円安気味であると考えています。

(参考記事:少し古くなってしまいましたが)
長期投資で受取配当を効率的に増やそう その6 ドル/円レートと米国株投資について

ドル円の「理論価値」は二国間の実質金利水準に収れんされる、とする仮説に一番説得力があると思っています。


当ブログで何度も紹介している竹中氏の本の理論・説得力がベストです

日本の国力が落ちるので円安になる、とかは考えていません。日本のインフレ率がアメリカのインフレ率を上回れば、円安になるかもしれませんが、どういうわけか日米インフレ率の差は2%~3%(最近では1%~2%ぐらい、日本の方が低い)はあります。

したがって、理論(過去実績)に基づけば年々1%~2%円高になって然るべきかと。

今は理論価値は95円位かな? 100円割れが「理論値」で114円が価格(大雑把にいえば株価指数の理論価値がPER15倍程度だ、と言っているのと似たような議論です)。

但し、実際の価格は市場取引で決まるので、その時々の参加者の思惑で揺れるというのが実態です。

日銀がインフレ目標2%と言っているのも、日米インフレ率格差を解消することで、為替レートの安定化を側面支援しようという面もあると思います(注:ただしバーナンキ前FRB議長はアメリカのインフレ率は2.5%が望ましいような発言をしていた)。

但し、足元はアメリカの利上げ、もしくはFRBの国債買取の縮小などの思惑やユーロ圏内の金融緩和のEXITの思惑があり、長期金利が「少し」上がってきました(アメリカの失業率他の経済指標も比較的良好であるということもある)。

一方、黒田さんは「インフレ率が2%が見えるまで、長期金利を押さえつけます」みたいな発言を繰り返しています。これが円安を支えています(後日このツケが回ってくるかもしれませんが)。

いつ来るかわからない次回のリセッション時、あるいは、その兆候が表れると、まず米国債長期金利が反応し、為替が反応するでしょう(つまり米長期金利が金利が下がり、円高になる)。

当面115円を抜けるのか否か、長期金利2.6%を超えるのか否か、その辺で円安が打ち止めとなるのか否か、分かりませんが、準備をしておこうと思います。

よく議論されるのが、「アメリカ株には為替リスクがあるから手出ししない」という意見ですが、外国人が過半数を占める東京市場では円高になると真っ先に日経平均が反応するという実態を無視した意見であることを申し添えておきます。

従いまして、日本株もアメリカの景気動向、金利動向を(多分アメリカ株よりももっと)敏感に感じ取る投資対象である点をよく理解された方がいいと思います。

結局、
  • 株式市場の中心地はニューヨークで、アングロサクソンなファンドマネージャーがお金と株式投資に対する考え方を支配している。
  • 日本市場も、なんだかんだ言っても、その影響を避けることができない。むしろアメリカ経済・金融市場の遠心力が作用しているかも?
  • だったら、(多少の問題はあったとしても)より確実性の高い、米国株の方が投資対象として魅力的。
というのが落ち着きどころでしょうか。

但し、個別にみていくと、決して日本株も捨てたものではありませんし、そこに歪があり、投資チャンスがある、とも言えます。

しかし、日米経営陣を比較していますと、その差は年々縮小傾向にあるものの、株主に対するコミットメントはやっぱりアメリカ企業に軍配が上がると実感しています。

(つまり、「あの社長に裏切られた」と言う思いを減らすことができるし、合理的でシンプルな経営なので株主として、「納得感」がより得られる。時には、アクティビストと言えども、正論を経営に生かすでしょ。ダウ・デュポン合併の後分割する、のように)

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