2017年7月23日日曜日

アメリカ企業持ち株、第二四半期決算の雑感 Black Rock、IBM、Kinder Morgan、JNJ



いっぱいあったけど、カンファレンスコールの議事録を全部読み切れていない。



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Black Rock(BLK)
まずまず。確か市場予想を少し下回ったはずだが、事業そのものは堅調。6月末段階のAUM(運用資産増額;Asset Under Management は$5.7Trillion (5.7兆ドル;633兆円)という、途方もない想像できない数値です。

ちなみに、三菱UFJ銀行の預金残高は124兆円です。

もちろん「預かり資産残高」と「預金残高」では、本質的な意味が違いますけど、念のため。

もはや、BLKの戦略は、投資家(機関投資家)に彼らの資産運用全体の課題解決に役立つソリューション提供、というのが要となっています。Aladdinという資産運用プラットフォームを通じて、そういった解決を図るようです(よくわかんないんですが、ブルームバーグ端末に似たような感想を持っています)。

ポートフォリオ管理、リスク管理などAladdinの内容を充実させるために、ITソフト会社の買収を繰り返しています。

AUMが大きくなればなるほど、規模の経済が働き(機関投資家当たりにかける人件費、IT投資などのコストが小さくなるはず)、ますますメニューの充実が図れます。そういった力勝負に持ち込もうとしています。そういった仕組みはスイッチングコストがかかります。

日本のクソな運用会社のように、へんてこりんな仕組みの投資信託を作って、セコセコ稼ぐ、なんてスタイルとは程遠く、ETFのコストを削って、リスク管理ほかのアドバイス手数料で稼いでWin-Winの関係を長期的に築く(スイッチングコストがあるので、機関投資家も資産を他の運用機関に変更しづらくなる)という王道戦略です。

AUMがiSharesブランドのETFに引っ張られて、Organicに5%~7%の増加を見せているので、売上高・利益も順調に増加傾向にあります。今後も安心してホールドするつもりです。

IBM
抜本的に今後の投資をどうすべきか、考える段階になってきたかも。カンファレンスコールでは、「こういった大企業と契約を結びました」という表現がこれまで以上に増えて、虎の威を借る狐のような感じに見えました。
レガシービジネスの落ち込みがひどい。レガシーといっても落ち込んでいるビジネスの多くは、少なくともリーマンショック前ぐらいの契約のはずです。

相変わらず、大企業の基幹ITシステムには強く食い込んでいるが(英国のロイド銀行のITなんて例示していました。同行のIT Banking 戦略は結構有名)、顧客業務に精通している、という強みはまだ生きていると思います。

今期のEPS目標の達成は、9月から発売される新型メインフレーム次第というイマイチな印象。戦略事業の売上高の伸び率が7%に落ち込んでいるのがちょっと心配。マイクロソフトのアズールがなお好調なことに比べ、失速気味に見える。

レガシィの失速の速さに加え、戦略事業も勢いが衰えてきていて、今後の投資方針は真剣に見直す予定。

Kinder Morgan (KMI)
非常に強気な発言だった。以前にも書いた通り、
2018年に増配を再開。DPSを
2018年第1四半期から$0.50→$0.80、
2019年$1.00、
2020年$1.25にする。

さらに、2018年から3年かけて$2Bの自社株買いを行う。
この間、設備投資資金(受注残高となっている新規のパイプライン)は全額営業CFで賄う。

というもの。

懸案事項だった、カナダのTrance Mountain Pipeline(KMI100%子会社でKMI Canada;KML)は子会社IPOを果たす。30%の株式を市場売却し、KMIは$1.25Bを調達。調達資金は借りれ金の返済に充てる。

Trance Mountain は合計$6.1Bの借入枠を設定し、建設資金を確保。

カナダ政府とブリティッシュコロンビア政府からの基本的な許認可を取得し、9月から工事が着工始まる予定(そんなに進展しているとは知らなかった)。

ただし、ブリティッシュコロンビア州は先日の知事選で、パイプライン建設反対派の勢力が勝利したようで、まるで築地市場の豊洲移転問題のようなことにならないか心配(前知事は経済推進派でパイプラインの建設に賛成で許認可をしていた)。

2017年から2018年というと、2012年ごろから積み上げていた受注案件が完成し、CF化がピークになる時期です。

KMIでも、電力会社向け、メキシコへの輸出(メキシコの国境に自動車会社が大挙して工場を作っていますよね)、LNGの輸出案件(数年前に盛んに新聞で言っていましたね)などがあり、CFの増加が見込まれます。案件の刈り取り時期になります。

個人的に増配ペースが会社側のコミットした通りになる確率は60%~70%に見ています。過去にも、「年率12%で増加させる」と言っても、原油相場の関係などでそのペースが落ち込んだ実績があるからです。

また、金利に上昇圧力があるので(といっても国債金利が全然上がらないので説得力が落ちますが)、配当に回せるCFの圧迫要因にならないか心配しています。

しかしながら、これまでの経営陣の仕振りなどを勘案すれば、増配路線が回復するとは信じています。

さっそく少し買い増ししました。

Johnson and Johnson (JNJ)
まだしっかり読み込めていないが、主力薬の一つであるレミケードの売上高がついに目立って落ち込み始めた、という点が非常に気になっています。

特許切れなので、仕方がないですが、バイオシミラーがどこまで食い込むことができるのか、試金石のような薬です。

また、今後も特許切れ薬が相次ぐ予定です。したがって、これまで売上高を引っ張っていた製薬部門の売上高の伸びが今後は見込めません。

もちろん、JNJも指をくわえて特許切れを眺めているわけでもなく、期待の大型薬もいくつかありますし、先日約3.3兆円で買収したアクテリオンも売上高に寄与します。

これらを含め、横ばい程度と見込まれています。

医療機器部門は、Organicな売上高増加はもう過去数年2~3%程度と厳しい状態が続いています。Growth Driverは相変わらずM&Aです。

ヘルスケア部門も医療機器部門同様です。

これらを総合すると、今のJNJは業績を伴った株価の上昇をそれほど期待できる状態ではないと思います。かと言って売るつもりもありません。

JNJがなぜ素晴らしい企業かといえば、みなそう思っているから、というのが個人的な意見です(タレイノールの回収事件など負の側面もありますし)。

フィリップモリスまで追いつかなかった。iQOUSの日本での勢いが相変わらずのようです。

土曜日は娘の部活の最後の大会と重なったので、応援に行ったので楽天セミナーは欠席しました。

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