2017年6月14日水曜日

退任の発表があった、ゼネラル・エレクトリック(GE)のイメルトCEOはイマイチだったのか? 株価がすべてではないはずだ



ダウ平均構成銘柄であり、ダウ平均が誕生以来、唯一30社の中の生き残り企業でもあるGeneral Electric (GE)社のCEOであった、ジェフリーイメルト氏が16年のCEO生活に別れを告げることになった。


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ネット上ではこのような評価の様だ。





しかし、これは非常にアンフェアだと思う。彼がCEOになった2001年当時の方がむしろ異常だったのだ。

当時CEOは、カリスマ、ジャック・ウエルチが全盛時代であり(ちょっとタイプ違うけど、アップルのスティーブ・ジョブス並のもてはやされ方だった)、彼が手がける無関連多角化M&Aによる業績拡大、中でも金融事業による業績拡大に注目が集まっていた。

ウエルチ氏は早くからイメルト氏を後継者とみなしていたようで、ウエルチの後押しもあり、イメルト氏はCEOに就任した。

しかし、イメルト氏がCEOになった後、ITバブル崩壊による株価調整、その後のリーマンショックによる金融不況など逆風が目白押しとなった。

2009年ごろは、業績が自社のガイダンスに届かないこともあって、ウエルチ氏からも叱責を受けたようなこともあった(但し、その業績低迷の原因を作ったのはウエルチ氏が買収した事業だったりした)。

関連記事(旧ブログ)2009/2/28

そもそも株価PERを見ればいい。過去が異常で、今が適正に近いことが分かる。

GEのような成熟企業のPERが40倍だった2000年ごろの方がむしろ異常だったと思いませんか?
(過去の株価チャートにリンク)

また、経営戦略をインフラ系の製造業に特化(エネルギーサービス、航空機エンジンなど)する方向にシフトし、それまで重要な利益部門だったがリーマンショックでかなりの傷を負ったGEキャピタル(金融事業)の大半を売却する(資産ベースで約30兆円)というかなり大胆な選択と集中も行っています。

但し、それでもまだコングロマリットディスカウント批判は今も昔も付いて回っていますので、今後の経営戦略は注目されるでしょう。ひょっとしてスピンオフとかがあり得るかもしれませんね。

自分を引き上げてくれたウエルチ氏の肝いり事業を売却したり、急激な外部環境変化があり、大変な時期にCEOをやっていたけど、次期世代に再成長の土台を残したことは評価してあげていいと思いました。

株価は企業評価の一面であるけど、全てでもないと思います。

IBM、P&G、GEなど米国の巨大企業の事業ポートフォリオの組み替えはまだまだ道半ばなのでしょうか? 日本でも日立やパナソニックは同じような状況にあると言えます。東芝は背に腹代えられないドラスティックな状況です。10年先に大企業の最適事業ポートフォリオの組み方なんて議論が盛んになりそうですね。

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