2017年2月4日土曜日

商業出版のオファー

実は、昨年11月ごろに、某出版社の編集者の方から投資本の執筆オファーがありました。
結論から言えば、流れてしまいました。

きっかけは、その編集者さんがダイヤモンドザイの私の記事をお読みになられ、かつ、このブログを読んで、「配当による収入を副業に」というコンセプトで本を出したかったようです。

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その出版社は投資本も扱っていますが、どちらかと言えばIT系に強い出版社というのがオファー前の印象でした。調べてみると投資本は数冊ありましたが、「長期でじっくりコツコツ投資」という感じではなく、「クイック、確実に儲かる、かんたん・やさしい、誰でもできる」といったキーワードとアニメキャラが本の表紙に並んでいました。

2度ほど打ち合わせを行い、実際、同社の投資本の一冊をいただいて持ち帰って読んでみると、チャートで勝負って感じの本で、私の乏しい「投資脳」では、「こんなの読む人がいるの?」と思いました。

編集者さんは、メールで私に問い合わせをした後に、すでに社内の企画会議が通っているので、是非書いてほしい、ということでした。

出版社は売れなければ話にならないので、売れるネタ、売れる編集がされることに異議をはさむつもりはないですが、さすがにこのブログのコア読者層の方(つまりこの投資をもっともよく理解している層)とギャップを感じたので、

「私が書ける内容はこんな感じです(「はじめに」の原案と仮目次を作成)。これをある程度初心者向けに編集していただくのはお任せしますが、「かんたん、確実にもうかる、誰でもできる」とは責任もって言えません。むしろ、仕事・勉強・趣味・スポーツにも共通しますが、知識・時間・経験・反省・改善、そして何より時間が必要です、という線は主張として譲れません」

と申し上げたところ、社内の企画会議で否決されたそうです。

なら、仕方ないか、と。

なんでも、「円高等で株価が下がればいくら配当が増えても投資がダメになるのではないか」という質問があったようですが、

そんな短期で物事をとらえていては投資になりません。

「増配できる株はいずれ株価も回復する可能性が高いので、それを信じてホールドします。投資なので、絶対回復するとは言えませんが」

という回答にご納得できなかったようです(もう少し詳しく言いましたけど)。

まあ、世間の投資に対する認識って、やっぱり、バブル崩壊の傷が深いので、長期投資への認識・忍耐という理解がまだまだなのでしょうかね。自分もまだ10年目に過ぎないのですが。

商業出版するというのは誰にでもできる機会ではないので、頑張って書こう、と思ったのですけど、配当コツコツとか長期投資に加え、アメリカ株、とくればニーズは大きくないようです。

このブログを書いていると、同じような人が増えてきているような「錯覚」に陥ってしまうのか、残念でしたね。アメリカ株・長期投資・配当では、本は難しそうです。


それにしても、私のブログを読んで、打ち合わせをした後に、企画が通った(注:出版企画が通るのは結構難しい)と言われたので、かなりの時間を費やして仮目次とか作った後で、ダメって、フラストレーションがたまってしまいました。


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2 件のコメント:

  1. こんにちは。大変興味深く拝読しました。

    今回の出版社の対応ですが、だから出版不況なんです(笑)
    一発屋の使い捨てを繰り返す、長期的信頼関係を大事にしない、というようなやり方では、うまくいくはずもありません。

    また、BSやPLを読めない(そもそも、その用語の意味も分からない)人までもがアメリカ株に手出しを始めたのは、バブル崩壊の兆しと思われます。靴磨きによる株式投資という大恐慌前の逸話状態で、めちゃくちゃな話です。そういう人を増やす結果をもたらすような出版物など、出さずに済んで本当に宜しかったのではないでしょうか。

    個人的には、株価下落×円急騰で保有アメリカ株の時価が10分の1になり、減配し、それが何年続も続く、という、最悪のシナリオにたえられるだけのメンタルはないので、この1月からアメリカ株の売却を始めました。もともとアメリカ株は自分のポートフォリオの中では10%程度でしたが、これを毎月0.5%程度ずつ下げていく予定です。

    今後も興味深い記事の投稿をお待ちしております。お読み頂き、ありがとうございました。

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    1. コメントありがとうございます。
      バブルに煽られないように、気を付けて投資していきたいと思います。
      今後もよろしくお願いします。

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