2016年11月15日火曜日

電子たばこアップデート JTとフィリップモリス

春から夏にかけた数か月間、株式投資・企業決算から遠ざかっていた関係上、こんなに電子たばこが盛り上がっているとは気づかなかった。コンビニでバイトする妻がアイコスが飛ぶように売れる、と言っていたのは聞いていたが。


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ご存知の方も多いと思うが、電子たばこには二種類あって、タバコの葉を直接過熱し、熱から出た煙を愉しんだり、液体を過熱してからタバコ葉を通す「タバコベイパー」と呼ばれるものと、ニコチンを含んだ液体を過熱して蒸気を吸う「電子たばこ」がある。

タバコベイパー:タバコの葉を直接吸う
電子たばこ:ニコチン入りの液体を吸う

いずれも燃焼させないため、周りの人にタバコの害が従来よりかなり低減される(とたばこ会社は主張しているが、果たして厳しい世間の目は?)

日本では、ニコチン入り液体は「医薬品」それを吸う機器は「医療機器」として、厚労省の承認がいるようだ。一方、タバコの葉を過熱するだけだったら、従来と変わらないので、財務省の管轄で済むそうだ。

したがって、日本では、当然厚労省にお伺いを立てる愚を犯すはずもなく、タバコベイパーが中心に販売されている。

(アメリカでは、たぶん、電子たばこ/ベイパーとも、その販売そのものにFDAのお墨付きが必要だったと思う)


PMIQOSが世界でいち早く日本(名古屋)で投入して、成功をおさめ、全国展開したところ、生産が追い付かないぐらい売れてしまったそうだ。急いで供給していったところ、グングンシェアを伸ばして、既存のPMの紙巻きたばこ層の顧客だけでなく、JTの紙巻きたばこの顧客のシェアを食っている、というPMファンにしてみればうれしく、JTファンにしてみれば残念なトレンドになっている。


25.2というのは、PMの日本における全タバコのシェア。Heat Stick4.3というのも同じ。つまり、日本でPMの電子たばこ(たばこベイパー)は4.3%のシェアがある、ということを意味し、このシェアの増加がPMの日本におけるシェアの持ち直しに寄与している、とPMは主張している。


PMにとって、日本市場は、インドネシア・ロシアとともに(一国家としてみた場合は)3大市場となっている。

たばこベイパーの仕組みは、ざっくりと、PMの場合、タバコ葉を燃焼させる部分が「IQOS」と呼ばれ(上記の場合、電池とカートリッジ部分)、タバコ葉の部分(カプセル)を「Heat Stick」として別売りしている。
IQOS部分はある程度繰り返し使える。Heat Stickはいわば消耗品である。
したがって、ビジネスモデル的には、キヤノンなどの複写機とトナーのような感じである。

私は従来から「電子たばこ・たばこベイパーって、結局儲かるの???」というのが疑問点であった。しかし、以下の解説だと「ぼろ儲け」になることが分かった。

日本の場合だが、たばこ税の税率は、従来の紙巻きたばこの場合、たばこ葉1g当たり(1本)12.244円と決まっているらしい。
一方、JTPloom TECHJT版たばこベイパー;Heat Stickの対抗馬)の場合、パイプタバコと区分されるらしく、1箱につきタバコ葉が2.8g含有されているとのこと。

紙巻きたばこ 20本×12.244円=244.88円 1箱ベースのたばこ税
Ploom TECH 5カプセル(たばこ葉)2.8g×12.244円=34.28円 同上
5カプセルは紙巻きたばこ25本に相当する喫煙量らしい)

一方、小売価格はJTのメビウスが440円、Ploom TECH460円らしい。
したがって、

メビウス 440-たばこ税約245円=195円(小売り事業者のたばこ税抜き売上高ベース)
Ploom TECH 460-同34.3円=426円 (同上)

仮に、小売り・卸そしてメーカーの利益率が同じであった場合、巨大な利益が各サプライチェーンにもたらされる(今やタバコの販売といえば、CVSで、彼らにとってもドル箱がさらに稼ぐ)。

もっとも、現段階では、メーカー主導での販促キャンペーンやPMJTも想定以上の反響の様で、生産が追い付かないといって、それぞれ数百億円単位の設備投資を決めたそうだ。私はたばこ会社の株主になって7年が経過しようとしているが、こんなに「設備投資・設備投資」と言っている姿を見たことがない。

したがって、今現在たばこベイパーがガンガン売れると、CFがウハウハというところまでいかないようだが、将来の金の卵であることは間違いないようだ。

もっとも、こんなぼろ儲けを自民党の税調あたりが見逃すとも思えないので、税率の変更などの政治圧力の存在も十分気を付けなければならないだろう。
さらに、タバコと聞けば何でも反対する層(日本より欧州に多いが)からの、「とにかくたばこはすべて反対」攻撃をどこまで防御できるのか、などリスク要因も多い。

(ただし、PMがずっと行ってきた臨床検査だと、科学的に電子たばこ系の類は紙巻きたばこよりも、タバコのサイドスモークリスクは減るというデータがあるとのことなので、ヒステリックなアンチ電子たばこ運動派へのけん制になる可能性もある)

いずれにせよ、日欧における電子たばこ動向は短期的なたばこ会社の業績には大きな影響を与えないかもしれませんが、中長期的にインパクトがありそうなので、「トランプショック」(利上げ見通し)を織り込んだ後は、このネタで市場は(私もたぶん)一喜一憂するのではないかと思います。


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1 件のコメント:

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