2016年8月11日木曜日

出光興産と昭和シェル石油の M&Aと「文化の違い」

既に広まっている出光興産と昭和シェル石油の合併に関し、出光興産の創業家が合併に反対している。その理由として、「体質や文化の異なる企業の合併で効果を出すのは難しい」(出光側の代理人弁護士の弁)とのこと。

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企業文化が違う、という説や、出光側はイランの石油、昭和シェルがサウジアラビアというイスラムの宗派の違い? などが取りざたされている。

後者の方はこじつけにしか聞こえないが(今や石油なんてどこからでも買える)、前者はよく聞く話だ。

聞いているともっともらしく聞こえるが、よくよく考えると時代遅れも華々しい。
もちろん、「企業文化」が似ている方がいいに決まっているが、違うからと言って、拒絶するのもいかがなものか?

出光って、つい最近まで非公開企業でITバブル崩壊後に業績が少し悪くなった際、さすがに銀行も支えきれなくなるほどバランスシートが弱ってしまったので、バランスシートを強化するために、やむなくIPOした経緯がある(と聞いている)。

したがって、正直創業家株主といっても、ユニクロの柳井さんやソフトバンクの孫さんや武田薬品の武田一族などと違って、肩身は狭いはずだ。あの時IPOをしていなければと思えば。

さらに、今の世の中、グローバル化で環境変化を求められており、対応が早い企業の方が生き残りの可能性が高まっている。「昔のままがいい」では生き残りが難しい状態だ。特に国内市場が主リンクする石油精製業界ならなおさらだ。

分化が違えば、相手の長所が自分たちの補完にもなるし、自分たちの長所がさらに引き延ばせる可能性が高くなる。そういったWin-Winの可能性も大きい。

海外留学を経験した人には視野が広かったり、人脈が広がったり、優秀な人も多いし、そういった人材の求職は豊富にある。

もちろん、海外でもこのような例がないわけでもない(ヒューレットパッカードとコンパックコンピュータが合併した際、HPの創業家株主が反対して委任状争奪戦になった。結局、この合併は失敗に終わって、また会社はITサービスとハードの会社に分社してしまったが)。

創業家の影響力低下も言われているが、会社は株主のものと言っても、私物化していいとも言っていないはず。

この場合、銀行、監督官庁(経産省、最終的には国民)などの「ステークホルダー」の利益は考えなくてもいいのかな?企業は株主のもの、って言い切ると、「ステークホルダーみんなのものだ!」って反対するくせに。

マスコミでは従業員目線、創業家目線で書かれるケースが多いが、株式投資家目線で書くと、よくわからん創業家が大株主の会社は辞めたほうがいいのかなあ(一般的にはそんなことはないが)。


持ち分が減っても、経済的価値が上がる(少なくとも下がらないような努力を経営陣はやっている)のですけど、経済的価値を捨てて持ち分を守るって、金持ちすぎて頭の中がマヒしているとしか思えない。

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