2016年3月19日土曜日

配当貴族銘柄 AT&T(T) 32年連続増配 #34 S&P Dividend Aristocrats 

34回目の今日は、私の持ち株でもあるAT&Tです。
配当貴族シリーズの銘柄を選ぶ際、もともと自分が知らない企業の銘柄を調べる目的があったため、これまではあまり日本で知られていない(と思われる)配当貴族銘柄の記事をせっせと書いていましたが、後半戦になってきて、誰でも知っていそうな銘柄がたくさん残っています。

AT&Tもそんな1社かもしれません。

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では財務から


(会社概要)

AT&T社といえば、アメリカの名門通信会社なのですが、現在のAT&Tは、過去のAT&Tと同じようで違います
1970年代に独禁法により、元のAT&Tは長距離通信会社と地域通信会社に分割されました。
しかし、1990年代の業界再編に伴い、買収を重ねて、最終的にはAT&Tとベライゾンに集約されたことになっています。

AT&Tは分割した地域電話会社の一つである、サウス・ウエスタンベル社(のちにSBCコムと名乗る)が他社を巻き取って(Roll Up)して、最終的にAT&T社を吸収合併しました。そのとき社名を買収した相手先企業であったAT&Tに変更してできた会社です。

つまり、元子会社が親会社を買収したような格好になっています。

そして2004年ごろ、そう、当時NTTドコモが筆頭株主であったシンギュラーワイヤレスの株を買い取って、その後100%子会社化としてAT&Tの携帯子会社として、今のドル箱となっています。

NTTドコモの「だれも責任を取らない1兆円減損」として揶揄されましたね。

その後、ドイツテレコムの米国事業の買収提案をしましたが、通信当局に独占化を懸念されて断念。一時期は英国のボーダフォンの買収といううわさもありましたが、断念。
昨年、その代わりに? Direc TVを買収しました。また、メキシコの携帯通信会社の買収も行っています。

会社概要で何が言いたいのか、と言いますと、当社は一介の地域電話会社だったのが、今や全米有数の通信会社となり、海外に乗り出そうとしています。これらはほとんどがM&Aによる事業拡大である、という点が当社のカルチャー、フィロソフィーである、という点です。

AT&Tを理解する際に、「M&AAT&T」ということを覚えておいてください。

(今度こそ財務)
では、増配率ですが、過去10年で年率3.8%、同5年だと2.2%と辛うじてインフレ率程度といったところです。

FCFがざっくり$15Bに対し、配当の支払いが$10Bに達しており、配当性向も7割ぐらいでしょうか。正直、きついような印象があります。その分配当利回りが高い。

株価水準は成長性に乏しい通信産業であるがゆえにPERも低めに出ていると思いますが、MorningStar社では、★2つでやや割高感があるようです。

売上高・利益の推移もほぼ横ばいで(会計上の純利益は年金への拠出金などがあって、少し歪んでいる)推移しています。

ただし上記の財務推移はDirecTV買収前のものであり、同社買収後は少しまた風景が違ってくるかもしれません。

そういった中でも経営陣は、借入金水準(Net Debt/ EBITDA)は2倍程度と言っているようです。当社のCFの安定性から言えば、個人的に全く問題ないと思っています。

発行済み株式総数は、ドイツテレコムUSAの買収失敗以降、すさまじく買い戻したのですが、DirecTV買収の際、発行しているので、あまり減っていません。

年度によって、多少ばらつきがありますが(年金拠出金額や携帯端末のリベート支払いなど)、安定感は抜群だと思います。


次に経営戦略的なことを述べたいと思います。

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