2015年8月26日水曜日

少子化だからこそ? 増収増益 そして増配 JPホールディングス(2749)に参戦

良く下がりますね。もっと下がるかな? 

ここ数か月、日本の中堅企業の新規株をいくつか買い付けています。キヤノンやNTT(一部)の売却代金でもう少し成長性や配当利回りが高い会社にシフトしようとしています。




今回、JPホールディングス(2749JPHD)に新規参戦しました。

JPHDはいわゆる保育園を運営する会社です(グループには学童クラブや保育園向け給食事業などもあるが、ざっくり保育園運営と言ってよい)。
保育園といっても、いわゆる公立保育園がメインです。156月末現在、認可・認証保育園を全国に160か所、学童55、児童館10の合計225か所の保育施設を運営しています。

保育園運営は2000年に初めて株式会社が運営参加を容認されました。それまでは市町村・学校法人・社会福祉法人などが中心で、「利益至上主義」の権化のような株式会社は教育にふさわしくない、と各地域の反対勢力が根強く、拒否されてきました。

しかし、長引く不況・デフレなどで主婦も働きに出ざるを得なくなり(また女性の社会進出が盛んになってきたこともあり)、女性の就労率が上昇してきました。その結果、保育園の開設が追い付かず、効率的な運営とサービスの拡大には株式会社がいい、という厚労省の意向で参入許可となりました(ちょうど介護サービスが本格化したころですね)。

ただし、大都市圏以外では未だ株式会社が保育園に参入することに抵抗を示す「地元」が多いようです(もっとも株式会社もそんな田舎に進出しようとしませんけど)。

なお、幼稚園は文部科学省、保育園は厚生労働省の認可となります。前者は「教育する場」、後者は子供の養育を預かる「施設」です。今この垣根を取っ払うべく「こども園」(幼稚園と保育所が同居したような施設)がやっとスタートしました。

議論が噴出した民主党政権、その時代の枠組みを実行に移した安倍政権の下、「待機児童解消プログラム」が粛々と実行されており、保育園事業は「成長産業」となっています。



(出所;厚生労働省、保育園関連状況とりまとめH26年

介護施設は、急増する要介護者に対して介護保険給付が追い付かない状況であり、医療費と共に「効率化」の大号令となっていますね(介護保険や医療保険の自己負担が増える傾向にあるとか、入院期間の短縮が言われたりしていますね)。

一方、女性の労働参加による潜在経済成長率の改善が日本経済にとって不可欠である、との政府認識がありますので、女性が労働しやすいように資金は流れています。

具体的には新規で保育園を開設する場合、設備資金の最大1/3の補助金が出るとか、賃借で開設する場合は賃借料の一部が補助になるなどがあるようです。

上の2つの図が示唆することは、①保育園数、保育園児とも年々増加している、②それでも待機児童数はいる(注:この統計に表れない待機児童数は80万人とも言われている)、特に3歳児未満の利用率がアップしている→保育園の対象年齢が拡大することを意味する、で、少子化になっても保育園利用率がそれ以上にアップしているので、保育園児が増えるという構造になっています。

これでも、現場では全く保育園の数が足りないそうです。この傾向はまだ3年~5年は継続すると個人的に考えています。

そんな事業環境の中、JPHDは株式会社形態の保育園事業者としては全国トップの実績があります(2位は確か元女子アナだった人が経営しているポピンズ、非公開企業、だったと思います)。

ずっとウオッチしていたのですが、アベノミクス関連銘柄ということで、バブルのような株価だったので、とても無理、と思っていたのですが、どうやらバブルがはじけたような株価に戻ったことと、新社長さんもまあまあしっかりしているんじゃないか(個人向け会社説明会に参加)、と思ったことなどで新規参戦しました。

10年ホールドは厳しいかもしれませんが、5年は外部環境から鑑みれば、イケそうな感想。
少子化なのですが、上記のとおり、保育園に子供を預けたい親のニーズは右肩上がりなので、保育ニーズはアップしているんですよ。

尚、国がつぎ込むお金は、消費税が10%に増税された前提で予算が組まれていますので(今は「税収上振れ」のお金がつぎ込まれている)、なんか10%は待ったなしの印象です。

少子化銘柄、女性応援銘柄、補助金銘柄、消費税増税へのヘッジ銘柄(増税してくれないと困る業界)、などいろんなテーマの銘柄ですね。

最後に業績と株価です。

私が買ったのは、平均すれば320円程度、PER約20倍、配当利回り1.65%、EPSの成長率も2ケタは何とか見込めそうなので、20倍ちょっとでもいいか、という感じでした。

しかし、落ちましたね。株価。今日は292円で引けました。短期的には株価はわかりません。ちょっと勇み足でした、残念。

リスクは、保育士の確保困難による人件費高騰(東京都の保育士の有効求人倍率は5倍ぐらいあるそうです!!)、用地確保困難・建築費高騰、および幼児虐待などのオペレーションリスクなどがあると思います(当社固有というより業界全体ですが)。

また、当社は創業社長が2月に突如辞任し、後継がその後輩ということがありました。辞任原因が病気と言われていますが、ネットではセクハラ疑惑がありました。創業者は今、会社経営とは一切関係がない、とのことです。株は継続保有するといっているそうです。

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2 件のコメント:

  1. 初めまして。サイです。
    優待株&分散枠としてJPホールディングスを保有しております。
    今回は底値ではないですが優待権利日前にかなり安く買われましたね。
    テーマも女性の社会進出関連程度にしか思っていませんでしたが色々あるのですね。
    PER、PBR評価が対照的な幼児活動研究会も保有しておりますが、こちらはやはり少子化を見越した評価なのですかね

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    1. saiさん、コメントありがとうございます。
      幼児活動研究会は確か現預金で時価総額並を保有していますね。知っています。
      会社説明会(業績報告会)に参加しましたが、株主還元にやる気のなさを感じたので買いませんでした。事業は非常に順調に推移していますので、お買い得銘柄だと思います。
      JPの方が株主目線だった点と、サクセスHDの業績が下降気味だったのでこれにしました。
      子供の数が減る中で、どうやって業績を上げるのか、それが理解できたので、この暴落で買った次第です。
      幼児活動に株主還元意欲が示されれば、迷わず買うと思います。

      今後ともよろしくお願いします。

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