2015年6月16日火曜日

経営者の資質とビジネスモデル どっちが優先されるのか?






投資銘柄を選ぶポイントして考える際、悩ましい問題だと思っています。

もちろん、優れた経営者だからこそ、優れたビジネスモデルが構築できた、ということであれば、全く問題がありません(例:マイクロソフトとビル・ゲイツですね)。


日本で有名なM&A関連の人で、投資ファンド(プライベート・エクイティです)を立ち上げたものの、米国投資銀行やコンサルティング会社出身の経営陣と、ご自分(その人は邦銀出身)とで意見が対立してしまったようです。

米国投資銀行&コンサル系の経営陣はビジネスモデルだ、と主張したそうです。ビジネスモデルがしっかりしていれば、アホでも(やや語弊があるが)経営できる。業績変動も少なく、キャッシュフローが読みやすいと。

一方、その人はいくらビジネスモデルがしっかりしていても、最後は人だろ?システムを動かすのは人でしょ? といって意見が対立したそうです。

(最終的にこの方は、今、別のPEファンドを経営されています)

カリスマ経営者よりも優れたビジネスモデルをまあまあの経営者が経営する企業がいい
 
上の例はちょっと極端な例ですが、私の場合、10年程度の業績は安定成長が見込め、結果として一株配当が順調に増加していく(連続増配が基本)企業、というのが投資の最優先事項となっています。

10年程度」という期間は、「目先10年」を意味しており、できればずっと保有していたいと考えています(「売る」というのが、あまり好きでもなく得意でもない)。

創業経営者なら10年を超えた経営ができると思いますが、一方、10年以上緊張した状態で意思決定していくのも正直しんどいのではないか、という思いもあります。
(マンネリ化してしまうリスク)

さらに、後継者へのバトンタッチがスムースに行かないリスクなどを考えてしまいます(サッカーでもマンチェスター・ユナイテッドはファーガソン監督が退任した後は、結構苦戦していますよね)。

優れた経営者が競争の激しい業界で勝ち続ける可能性と優れたビジネスモデルを保有する企業で、「それなりに」優秀な経営者が経営する企業だと、私は後者を選びます。
マスコミは前者を神のように祭りたてるので、なかなかバイアスがかかってしまいがちです。

仮に、ソニーが復活して、経営者が素晴らしい、ということになっても(というより経営者が本当に優れていないと復活できないと思いますが)、なかなか買いたいと思う銘柄にはならないと思います。

しかし、優秀な経営者の業績説明などを聞いていると、買いたくなってしまうのですね。
最近では、マニーとか(割高だけど)。同社のような業界や競争地位から考えると、そう簡単に優位性が落ちるとも思はないですが。

あのウォーレン・バフェットも実は迷っている?





優秀か否かを決める基準は難しいですが、良い業績を残している、バランスシートがきれい(余計な投資が少ない)、そして株主へのコミットメントがしっかりしている、これは最低限だと思います。
あとは語り口を実際に聞いて、事業への情熱や自社の将来見通しが客観的に見ても妥当か否かを判断する、などでしょうか。

ウォーレン・バフェットは、「誠実で有能な経営陣に経営されている企業」というのを投資の条件に挙げていますが、一方で、「いくら経営者が優秀でも、いつかはバカな奴が経営するので、経営陣にほれ込み過ぎてもダメで、経済的濠のある企業がいい」(注:私の理解)とも言っていたと思います。
 
コカ・コーラも彼が投資した時のCEOゴイエスタは素晴らしい業績を上げていましたが、その後のCEOでは、イマイチな人も就任しています(そして現在もパッとしない。噂では、ケチャップのハインツを買収したバークシャーと3Gキャピタルのペアでコカ・コーラを買収するかも?というのがある)。

バフェットをもってしても、難しい問題なのかもしれませんね。
 

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